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1950年代末に始まり、1986年の死の直前までつづく、迷宮のごとき土方巽の多彩な舞踏活動を、色彩豊なポスターをポータルにしてガイダンス

高井富子舞踏公演 《形而情學》 1967.7.3

会場
紀伊國屋ホール(新宿)
作品名
形而情學
構成・演出・振付
土方巽
出演
高井富子 / 大野一雄 / 石井満隆 / 笠井叡 / 土方巽 ほか
美術
中西夏之 / 清水晃 / 谷川晃一 / 篠原佳尾
関係者
加藤郁乎

About the poster

寸法
90.0*60.0
デザイン
篠原佳尾 SHINOHARA Yoshio

About the performance

高井富子は、大野一雄に師事したあと、アスベスト館での稽古にも参加していた。高井富子舞踏公演というものの、暗黒舞踏の草創期を担った舞踏第一世代総出演の豪華な顔ぶれ。しかも、土方巽が公演と作品のすべてを仕切って仕上げている。

タイトルは、加藤郁乎の詩集『形而情學』にもとづいている。高井富子はその後、<形而情學>シリーズを作品にして踊り続けるのだが、詩集にはダンス作品化するモチーフやストーリーがあるわけではない。

高井と典雅なデュエットで踊る笠井叡、大野一雄と土方のコミカルな踊り、そして解剖図を背中に背負った土方のソロ。ローマの少年皇帝へリオガバルスを意識したヘルマフロディットの踊り。土方は、この頃から髪を伸ばし始めている。

その後、絶えてない、暗黒舞踏の豪華出演者による舞台となる。

舞台背後には、中西夏之が考案、制作した移動幕が立てられていた。幕には人体背面がブループリントされている。また、中西は土方の背に解剖図を描いている。清水晃は初めて舞踏作品に参加し、高井が着用する「石の衣裳」をデザインした。着物にたくさんの石が縫い付けられている衣裳。ポスターは篠原佳尾が担当した。