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1950年代末に始まり、1986年の死の直前までつづく、迷宮のごとき土方巽の多彩な舞踏活動を、色彩豊なポスターをポータルにしてガイダンス

650EXPERIENCE の会 《9月5日6時の会・6人のアヴアンギャルド》 1959.9.5

会場
第一生命ホール(日比谷)
作品名
禁色(2部作・改訂版)
構成・演出・振付
土方巽
出演
土方巽 / 大野慶人 / 若松美黄 / ドナルド・リチー / 金森馨 / 諸井誠 / 黛敏郎
関係者
三島由紀夫

About the poster

寸法
83.0*63.0
デザイン
金森馨 KANAMORI Kaoru

About the performance

全日本芸術舞踊協会の第6回新人公演に<禁色>を出品して一躍、注目された土方巽は、650EXPERIENCEの会を組織する。 「650」は第一生命ホールの席数を意味する。650人の観客の立会いのもとで、実験的な作品を発表しようという意図があったのか。 公演名は、公演日の日時を表わす会名と6名の前衛芸術家が集まって実施する催しであることを率直に示している。

他の5人のアヴァンギャルドのうち、まず若松美黄は舞踊家。土方にとっては津田信敏舞踊塾の先輩でもあり、5月の新人公演も若松に慫慂されて出演していた。 ドナルド・リチーは映像作家。出品作の実験映画<犠牲>は土方が主演している。金森馨は土方の友人。諸井誠と黛敏郎は日本を代表する現代音楽の作曲家。 作曲家今井重幸との関わりか、三島由紀夫の紹介であろう。

<禁色>が大野慶人とのデュエットの作品であったが、改訂版は出演者を増やし上演時間も長い作品となった。

なお、土方は若松の作品<アガペーの屍臭>にも出演している。



<禁色>

1959年5月に第一生命ホールで開催された全日本芸術舞踊協会の第6回新人公演に土方巽が出品した舞踊作品。

三島由紀夫の同性愛者の世界を描いた小説作品『禁色』からタイトルを借用した。フランスの作家ジャン・ジュネにも傾倒していた土方は、 ホモセクシャルという倒錯した性をテーマにすることで、自らの反社会性のメッセージとした。ただし、自らが同性愛者というのではなかった。

大野慶人を相手役として、終始、暗がりの舞台で演じられ、性行為をイメージさせる低い呻き声が流れ、 また鶏がダンサーの股間に挟まれて獣姦を思わせるシーンもあって、モダンダンスとしては過激な内容をもつ作品であった。

土方を新人公演出演に誘った若松美黄も性をテーマに作品を発表し、津田近代舞踊学校の数少ない男性舞踊手2人が、 モダンダンスの世界に揺さぶりをかける表現を追求した。

<禁色>は協会で物議をかもし、この新人公演を契機として、津田信敏と大野一雄のグループが協会脱退の方向に向かうことになった。

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