Booklet 17 福澤諭吉と近代美術
慶應義塾が創立150年を迎えた機会に、従来およそ議論されてこなかった福澤諭吉と美術をめぐる諸側面を追求する。わが国の近代化の功労者とも呼ばれる福澤諭吉だが、文明論における「異端」・「妄説」の重視、あるいは、福澤諭吉の生き方や思想に見られる制度的「公」に対する徹底した「パブリックな私」の重視は、実は近代における芸術の位置づけそのものに接近していよう。
はじめに(前田富士男)
1. 資料二、三片にみる福澤諭吉――『穎才新誌』と吟香日記と『時事新報』ほか(青木茂)
福澤諭吉についての覚え書き(酒井忠康)
2. 福澤諭吉と文化財保護(西川杏太郎)
福澤諭吉の「芸術」の概念(海津忠雄)
福澤諭吉のメセナ――文化財保護の先導性(鈴木隆敏)
3. 福澤諭吉とフランス美術――近代の表象をめぐって(鷲見洋一)
福澤先生とロンドン(髙宮利行)
福澤諭吉とアート――奢侈・進歩史観・フェミニズム(池田幸弘)
椅子の福澤諭吉――「デザイン」にみる近代美術のトポロジー(前田富士男)
4. 主要研究資料(前田典子・前田富士男 編)
関連年表(前田典子 編)
- Booklet 01 コラボレーション——芸術の可能性
- Booklet 02 サウンドスケープ——アート情報の世界をひらく
- Booklet 03 アート・マネジメント
- Booklet 04 脱芸術/脱資本主義——半プロダクション礼賛
- Booklet 05 ヨーゼフ・ボイス——ハイパーテクストとしての芸術
- Booklet 06 ジェネティック・アーカイヴ・エンジン——デジタルの森で踊る土方巽
- Booklet 07 アート・アーカイヴズ/ドキュメンテーション——アート資料の宇宙
- Booklet 08 黒沢清・誘惑するシネマ
- Booklet 09 ソフィ・カル——歩行と芸術
- Booklet 10 身体をキャプチャーする——表現主義舞踊の系譜
- Booklet 11 芸術のプロジェクト
- Booklet 12 芸術のロケーション
- Booklet 13 記憶としての建築空間——イサム・ノグチ/谷口吉郎/慶應義塾
- Booklet 14 To and From Shuzo Takiguchi
- Booklet 15 文化施設の近未来―アートにおける公共性をめぐって
- Booklet 16 ワークショップのいま――近代性の組み替えにむけて
- Booklet 17 福澤諭吉と近代美術
- Booklet 18 文化観光 『観光』のリマスタリング
- Booklet 19 視×触―視ること、触れること、感じること
- Booklet 20 ゴジラとアトム―原子力は「光の国」の夢を見たか
- Booklet 21 光源体としての西脇順三郎
- Booklet 22 コスモス――いま、芸術と環境の明日に向けて
- Booklet 23 アイドル♥ヒロインを探せ!
- Booklet 24 美術と批評
- Booklet 25 シェイクスピア―拡張する世界
- Booklet 26 mandala musica
- Booklet 27 芸術とアーカイヴ ― ジェネティック・エンジン
- Booklet 28 Royal Bodies 象徴と実在の間
- Booklet 29 モルフ/アンティ・モルフー「場」をめぐるイメージ論
- Booklet 30 没後40年 西脇順三郎──無限の過去、無限の未来
- Booklet 31 槇文彦の諸相──建築と人をつなぐ