Booklet 15 文化施設の近未来―アートにおける公共性をめぐって
近年、日本の文化政策は、指定管理者制度や市場化テストの導入により、これまでにない大きな構造改革の時期を迎えている。本号では、現在進行しつつある改革がどのような文化的意味をもつのか、法体系、経済活動の中でどのように位置づけられるのかを、現場レベルから歴史的理論的な観点にたって、幅広い角度から検証する。
はじめに (前田富士男)
1. 近代美術における公共性と私性―バウハウスとダダを手がかりに (前田富士男)
文化施設の今後―公共理念の再定義へむけて (美山良夫)
美術館運営のゆくえ (河﨑晃一)
わが国の文化環境とこれからのミュージアム (高橋信裕)
指定管理者制度と芸術振興 (植村栄治)
需要リスク移転のパラドックス―王立武具博物館の失敗例に学ぶ (太下義之)
「公」の物差し、「個」の物差し―ダニエル・ビュレンの問いかけ (渡部葉子)
2. 関係法規一覧
文化における公共性/主要研究資料
- Booklet 01 コラボレーション——芸術の可能性
- Booklet 02 サウンドスケープ——アート情報の世界をひらく
- Booklet 03 アート・マネジメント
- Booklet 04 脱芸術/脱資本主義——半プロダクション礼賛
- Booklet 05 ヨーゼフ・ボイス——ハイパーテクストとしての芸術
- Booklet 06 ジェネティック・アーカイヴ・エンジン——デジタルの森で踊る土方巽
- Booklet 07 アート・アーカイヴズ/ドキュメンテーション——アート資料の宇宙
- Booklet 08 黒沢清・誘惑するシネマ
- Booklet 09 ソフィ・カル——歩行と芸術
- Booklet 10 身体をキャプチャーする——表現主義舞踊の系譜
- Booklet 11 芸術のプロジェクト
- Booklet 12 芸術のロケーション
- Booklet 13 記憶としての建築空間——イサム・ノグチ/谷口吉郎/慶應義塾
- Booklet 14 To and From Shuzo Takiguchi
- Booklet 15 文化施設の近未来―アートにおける公共性をめぐって
- Booklet 16 ワークショップのいま――近代性の組み替えにむけて
- Booklet 17 福澤諭吉と近代美術
- Booklet 18 文化観光 『観光』のリマスタリング
- Booklet 19 視×触―視ること、触れること、感じること
- Booklet 20 ゴジラとアトム―原子力は「光の国」の夢を見たか
- Booklet 21 光源体としての西脇順三郎
- Booklet 22 コスモス――いま、芸術と環境の明日に向けて
- Booklet 23 アイドル♥ヒロインを探せ!
- Booklet 24 美術と批評
- Booklet 25 シェイクスピア―拡張する世界
- Booklet 26 mandala musica
- Booklet 27 芸術とアーカイヴ ― ジェネティック・エンジン
- Booklet 28 Royal Bodies 象徴と実在の間
- Booklet 29 モルフ/アンティ・モルフー「場」をめぐるイメージ論
- Booklet 30 没後40年 西脇順三郎──無限の過去、無限の未来
- Booklet 31 槇文彦の諸相──建築と人をつなぐ