ARTLET 51 慶應義塾大学アート・センター アーカイヴ・コレクション
慶應義塾大学アート・センターがアーカイヴ活動に取り組んでから2018年で20年を迎えた。土方巽資料の受入れに端を発するアート・センターのアーカイヴは、資料の受入れや整理、そして公開に止まらず、アーカイヴそのものについての研究を伴っていたことにも大きな特徴がある。大学という場にある研究アーカイヴであること、また、舞踏(パフォーマンス)のように、時間の経過に伴い消えてしまう形態の芸術を対象としてアーカイヴをスタートさせたことも大きく影響しているだろう。そのような芸術作品は資料を通じてしかアプローチすることができない。また、それらの資料は、過去の眼差しをもたらすだけではなく、新しく何かを開始するための未来への眼差しをも方眼するものである。そして、この20年間の間にアーカイヴを取り巻く状況は大きく変わった。現在では至るところでアーカイヴに関する取り組みが見られるようになった。ここで紹介するのは、現時点で、さまざまな形でアート・センターが所管している資料体である。近年、我々が取り組んでいる活動の一つに、アート・センターを最終地と想定しない資料体の一時受入れと研究、プロセッシングがある。それらは資料整理や一部公開などを通じて、いずれ、よりふさわしい場所に到達するまで、その資料体が埋もれずに生命をつなぐための活動と言えるだろう。
FEATURE ARTICLES 慶應義塾大学アート・センター アーカイヴ・コレクション
-
土方巽/ノグチ・ルーム/田邊光郎/瀧口修造/油井正一/慶應義塾の建築/西脇順三郎/渋井清/草月アートセンター/峯村敏明/飯田義國/中嶋興/VIC (Video Information Center)
-
「アーカイヴー驚異の部屋、あるいは編集の驚異」山腰 亮介
Information
- 活動報告
本誌について、下記の誤りがございました。
<正誤表>
P.2、P.4
(誤)油井正一コレクション【寄贈】
(正)油井正一コレクション【寄託】
ここに訂正し、関係者の皆様に深くお詫び致します。
慶應義塾大学アート・センター
- ARTLET 準備号
- ARTLET 01
- ARTLET 02
- ARTLET 03
- ARTLET 04
- ARTLET 05
- ARTLET 06
- ARTLET 07
- ARTLET 08
- ARTLET 09
- ARTLET 10
- ARTLET 11
- ARTLET 12
- ARTLET 13
- ARTLET 14
- ARTLET 15 ノーテーション
- ARTLET 16 アナログ/デジタル
- ARTLET 17 ファッション
- ARTLET 18 ミュージアムマネジメント
- ARTLET 19 音霊(おとだま)
- ARTLET 20 ADR (Art Documentation and Registration)
- ARTLET 21 メディアとアート
- ARTLET 22 CADとデザイン
- ARTLET 23 芸術療法とその周辺
- ARTLET 24 瀧口修造 1958 —— 旅する眼差し
- ARTLET 25 映画における真実(リアル)
- ARTLET 26 Note~ノートする~
- ARTLET 27 油井正一&アスペクト・イン・ジャズ
- ARTLET 28 検索というポリティクス
- ARTLET 29 波(ウェイブ)
- ARTLET 30 大学にとって研究所とは?
- ARTLET 31 絶叫/爆音
- ARTLET 32 botanical garden ── 神と魔女が出合う園
- ARTLET 33 東京タワーとスカイツリー
- ARTLET 34 建築と記憶・歴史
- ARTLET 35 「テレビの時代」の終焉
- ARTLET 36 東北と芸術
- ARTLET 37 西脇順三郎
- ARTLET 38 3・11以降の芸術 3・11以降の学問
- ARTLET 39 展覧会という仕掛け
- ARTLET 40 アート・センター開設20年 ── 芸術の未来に向けて
- ARTLET 40別冊 アート・センター20年の歩み
- ARTLET 41 実験工房 ── アートの創造
- ARTLET 42 舞踏、その世界性
- ARTLET 43 ルパンとジャズ・スタディーズ
- ARTLET 44 ライブ×メディア― 演劇と映像の関係性をめぐって
- ARTLET 45 アートと企業活動の、現在
- ARTLET 46 スポーツ―拡張する身体
- ARTLET 47 アートと地域連携
- ARTLET 48 ユニバーシティ・ミュージアム
- ARTLET 49 北斎 HOKUSAI
- ARTLET 50 Butohの現在II 土方巽への問い
- ARTLET 51 慶應義塾大学アート・センター アーカイヴ・コレクション
- ARTLET 52 映画祭からうまれるもの
- ARTLET 53 スイングしながら、学問を。
- ARTLET 54 「歩み寄るアートと科学」への問い
- ARTLET 55 Hip Hop ストリートと学知
- ARTLET 56 有元利夫の素描─その「音楽」の源へ
- ARTLET 57 瀧口修造のアクチュアリティを現在に接続する
- ARTLET 58 アート・センター開設30周年──挑戦を続けて
- ARTLET 59 駒井哲郎 ─ 線が描き出す芸術家の軌跡
- ARTLET 60 アート・センター 2013–2023
- ARTLET 61 美術品が学び舎に住まうとき