慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

Vistas, Intervals, Apertures ― 眺め/間隔/すき間 「オープンキャンパスのために」上映とトーク

吉村順三が設計し1966年に開校した愛知県立芸術大学の校舎をロケ地として撮影された映像を上映展示します。上映後にはグラハム・エラードのポストトークを行います。
トークは英語(言語サポート有)で行いますが、上映映像はどなたにもお楽しみいただけます。

映像作品「オープンキャンパスのために」
グラハム・エラードとスティーブン・ジョンストンによる「オープンキャンパスのために」は、吉村順三が設計し1966年に開校した愛知県立芸術大学の校舎をロケ地として、2014年11月に4週間に渡って撮影された。16ミリフィルムで撮影された本作品は、巨大なドローイング作品と地形モデルを協働で制作する学生たちを通して、「学園空間」としての注目すべき建築に迫る映像作品である。

日時

2018年8月27日(月)19:00-20:30

場所

慶應義塾大学アート・センター(慶應義塾大学三田キャンパス 南別館)

対象

どなたでもご覧いただけます

費用

入場無料

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター
03-5427-1621

日時

2018年8月27日(月)19:00-20:30

場所

慶應義塾大学アート・センター(慶應義塾大学三田キャンパス 南別館)
108-8345 東京都港区三田2-15-45

対象

どなたでもご覧いただけます

費用

入場無料

お申し込み方法

事前申込み不要

登壇者/出演者

グラハム・エラード

グラハム・エラード+スティーブン・ジョンストン
グラハム・エラードとスティーブン・ジョンストンは、1993年からコラボレーションを行なっている。映画と建築との並行関係についての大規模なビデオ・インスタレーションと16ミリ作品は、世界各国の美術館やギャラリー(シドニー現代美術館、テート・リバプール、ポンピドゥー・センター、シカゴ建築財団、ロッテルダム国際映画祭など)で展示されており、近年の映画作品はアンソロジー・フィルム・アーカイブス、テート・ブリテン、あいちトリエンナーレ、グッゲンハイム美術館などで上映されている。また、二人の共著「Anthony McCall:Notebooks and Conversations」が、2015年3月にロンドン、ニューヨークのルンド・ハンフリーズとスイスのサンクト・ガレン美術館により出版されている。

ウェブサイト(外部リンク)

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター
03-5427-1621

主催・共催など

主催:慶應義塾大学アート・センター(現代芸術研究会)


「オープンキャンパスのために」内容紹介

 2014年10月から11月にかけて撮影された「オープンキャンパスのために」は、吉村順三が設計し1966年に開校した愛知県立芸術大学の壮大な建築と学園空間に注目し、キャンパスライフの日常を日記調に観察した作品である。
 16ミリフィルムを用い固定と手持ちの両方で撮影された作品は、つぶさに捉えられる日々の偶然を大いに盛り込み、学生が講義室とアトリエの間を歩いたり簡易の小屋を解体したりする光景、また、学園祭用に装飾された食堂の様子などを映し出す。日々の大学生活のシーンと並行して、学生たちがグループで大学校舎の巨大ドローイングと地形モデルを共同制作する様子が長時間映される。そこでは、学生たちは集中し、静かに没頭して制作に取り組む。これらのシーンは、強い日差しの下、寄りで撮影され、完全に没頭する学生の様子を捉えている。

 また、本作品は建築の幾何学的な構成や視線及び動線の設計にも注目し、吉村が遊びの要素として取り入れた視差・同時性・複数性・常時的に変化する景色を映像によって強調する。それらを構成する建築的フレームの要素となるのは、カバーで覆われた通り道、ピロティー、巨大な講義室などであり、曖昧で流動的な身体経験を促すように設計されている。映像はこれらの建築的言語を利用し、形式的な関係性を追求する。それは簡単に言えば、内と外の関係であり、主には景色、フレームの間隔、空白、囲い、しぼり、物体の関係である。

 校舎の建築は大変素晴らしく、メインの講義室は起伏の激しい土地に生息する多足動物のようにも見えるが、吉村は建築の最終的な成功は使い手に委ねられると言っている。

「私にとっての幸せは、自分の設計した建物が住人のいい暮らしにつながることである。黄昏れ時に一軒家に通りかかり、その家が明かりで満たされ、家族が日々の生活を楽しんでいると感じるとき、建築家にとってこれ程の幸せはないのではないか?」

 本作品はこの建築の歴史的に重要な時期に撮影された。静かに佇む校舎は徐々に周辺の木々や植物と同化しながら大規模な改築工事を迎えようとしているが、それとは関係なく、アカデミズムの学園生活は続いていく。

 「オープンキャンパスのために」は以下に列記する関係各位の寛大な協力を得て制作された。

  • 愛知県立芸術大学
  • グラハム財団(米国、シカゴ)
  • エレファント・トラスト(英国、ロンドン)
  • ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ(英国、ロンドン)
  • ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ(英国、ロンドン)