慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

瀧口修造生誕120周年記念シンポジウム 瀧口修造研究会特別例会 パピエプリエ 01:蝶番のタブローをつくること(曲尺や書物などのように‥‥)

不可能の部屋。どんな意味でか、自分に属しているはずの部屋にどうしても辿りつけぬ夢をよく見る。/自室──自分に属していると思っている部屋──とはいったい何であろう、と考える。
──瀧口修造「寸秒夢、あとさき」(『現代詩手帖』臨時増刊瀧口修造、1974年10月号)
部屋じゅうを鏡にして、それを動けるようにした一室をつくる。そして鏡の効果を撮影する‥‥
──『マルセル・デュシャン語録』(1968年)

 本年は瀧口修造生誕120周年にあたります。それを記念し、瀧口資料を分有する慶應義塾大学アート・センターと富山県美術館は共同企画を行います。前者はシンポジウム、後者は展覧会です。(展覧会情報はこちら

 詩人、展覧会のオーガナイザー、美術批評家、造形作家と多様な活動を繰り広げた瀧口修造(1903-1979)は、通称「手づくり本(handmade brochure)」と呼ばれる不可思議な本を制作しています。それらは出版社や印刷所のプロセスを経ていない、瀧口自身の手仕事による本であり、雑誌の切り抜き、銀紙、ラベル・シール、手書きのメモ等、いわゆる断片の寄せ集めによって構成され、完成されているようにも、未完成であるようにも見える本です。〈本〉を「ひとつの行為を内蔵してしまったもの」(「アララットの船あるいは空の蜜へ小さな透視の日々」1972年)として捉え、「永遠に綴じられず、丁づけされない本」(「白紙の周辺」1963年)を志向していた瀧口にとって、本が仮設的な状態にあることはとても重要であったと考えられます。

 本シンポジウムでは、書店を中心に流通する一般的な本と「手づくり本」とを対極的存在として捉え、その間で揺れ動く存在として瀧口の『マルセル・デュシャン語録』(1968年)を位置づけます。そして、この本を通して瀧口がどのように制作を思考していたのか、さらには「本」とは何かについて考えます。

 第1部では瀧口修造研究会メンバーによる『マルセル・デュシャン語録』の分析を行います。第2部では本を単なる情報の容器としてだけではなく、言語とともに発明されるべき造形物としても捉えた制作を行っている作家を中心に瀧口修造研究会メンバーによるディスカッションを行います。

シンポジウム:ダウンロード

日時

2023年12月9日(土)13:00-16:00
【第1部】:『マルセル・デュシャン語録』について|瀧口修造研究会メンバー(司会|久保仁志(慶應義塾大学アート・センター))
【第2部】:「手づくり本」と制作について|瀧口修造研究会メンバー(発表|カニエ・ナハ、山本浩貴[いぬのせなか座]、司会|久保仁志)、田中義久(ゲスト)

場所

慶應義塾大学三田キャンパス 東館6階G-lab(キャンパスマップ⑬の6F)

対象

どなたでもご参加いただけます。
事前申込みは不要です。

費用

無料

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター
03-5427-1621

日時

2023年12月9日(土)13:00-16:00
【第1部】:『マルセル・デュシャン語録』について|瀧口修造研究会メンバー(司会|久保仁志(慶應義塾大学アート・センター))
【第2部】:「手づくり本」と制作について|瀧口修造研究会メンバー(発表|カニエ・ナハ、山本浩貴[いぬのせなか座]、司会|久保仁志)、田中義久(ゲスト)

場所

〒108-8345 東京都港区三田2-15-45 慶應義塾大学三田キャンパス東館6階G-lab(キャンパスマップ⑬の6F)
最寄駅:JR山手線・京浜東北線田町駅、地下鉄三田線三田駅、大江戸線赤羽橋

対象

どなたでもご参加いただけます。
事前申込みは不要です。

費用

無料

登壇者/出演者

カニエ・ナハ(詩人)、山本浩貴[いぬのせなか座]、田中義久(ゲスト)、久保仁志(慶應義塾大学アート・センター)

タイムテーブル

13:00-16:00

第1部:『マルセル・デュシャン語録』について|瀧口修造研究会メンバー(司会|久保仁志(慶應義塾大学アート・センター))
第2部:「手づくり本」と制作について|瀧口修造研究会メンバー(発表|カニエ・ナハ、山本浩貴[いぬのせなか座]、司会|久保仁志)、田中義久(ゲスト)

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター
03-5427-1621

主催・共催など

主催:瀧口修造研究会(慶應義塾大学アート・センター)


アートセンターの展覧会紹介ページはこちら
富山県美術館の展覧会ページはこちら

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本シンポジウム・パピエプリエ01の冊子および富山県美術館で開催中の合同企画展示「ウィルソン・リンカーン・システムとしての〈本〉」のカタログを部数限定にて無料配布いたします。実際に来室された方を対象に1月いっぱいまでとなります。ご関心のある方はぜひいらしてください。


● 印刷物の構成
冊子:『マージナリア・ジャーナル 特別号2:パピエプリエ01 ── 蝶番のタブローをつくること(曲尺や書物などのように....)』[パピエプリエ01・カタログ]
ポスター:『本としてのウィルソン・リンカーン・システム(瀧口修造生誕120周年記念展示 ウィルソン・リンカーン・システムとしての〈本〉カタログ)』[I・II][A1を2種で1セット]


● 配布
冊子:40部限定


ポスター:100部限定

 

ポスター(A面/B面)


*来室される際は開室日時を事前にWEBサイトでご確認ください。
**お一人様1部ずつまでとなります。

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シンポジウム当日の様子

オープニング
笠井裕之氏
桑田光平氏
山本浩貴氏(いぬのせなか座)
山腰亮介氏
久保仁志氏
八木宏昌氏
カニエ・ナハ氏
田中義久氏
原塁氏