慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

アート・アーカイヴ資料展XVI 「影どもの住む部屋—瀧口修造の書斎」

これは「書斎」というべきものか。それこそ「影どもの住む部屋」というべきか。——瀧口修造「白紙の周辺」(『余白に書く』みすず書房、1966年)

 

  瀧⼝修造(1903-1979)は詩⼈、美術批評家であると同時に、50 年代にはタケミヤ画廊を中⼼に展覧会のオーガナイザーとしての活動を、60 年代には造形的な実験を開始し、領域を横断する活動を実践した⼈物である。
  本展は諸資料を通して瀧⼝の書斎を映し出す試みである。書斎とは、制作を⾏う場所であり、制作プロセスの中で様々な思考や記憶が縦横無尽に⾶び交う場所すなわち「影ども」の住む部屋である。
  瀧⼝が書斎で試みていた様々な資料群の布置の改変を写真を通じて⾒出すとともに、『余⽩に書く』という書物に着⽬し、その初出印刷物の展⽰において、書物へと結晶化する事前と事後の状態の⽐較を⾏う。つまり書斎写真を書斎に住まう「影ども」の映像の群れとして⾒ること、そして結晶化した『余⽩に書く』という書物を書斎の模型のひとつとして考え、その制作プロセスへと還元して⾒ることで、過ぎ去った書斎での出来事と瀧⼝の制作それ⾃体について考える試みである。 

プレスリリース

日時

2018年1月22日 [月] ー 3月16日 [金]

場所

慶應義塾大学アート・スペース

対象

どなたでもご参加いただけます

費用

入場無料

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター
Tel: 03-5427-1621

展覧会[アート・アーカイヴ資料展]

日時

2018年1月22日 [月] ー 3月16日 [金](月曜〜金曜、11:00〜18:00)

場所

慶應義塾大学アート・スペース

〒108-8345 東京都港区三田2-15-45 慶應義塾大学三田キャンパス南別館1F
最寄駅:JR山手線・京浜東北線田町駅、地下鉄三田線三田駅、大江戸線赤羽橋

対象

どなたでもご参加いただけます

費用

入場無料

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター
Tel: 03-5427-1621

主催・共催など

主催:慶應義塾大学アート・センター
助成:公益財団法人 花王芸術・科学財団


出展予定資料 

Ⅰ.書斎写真 
『美術⼿帖』1956 年2 ⽉号(瀧⼝修造の書斎写真掲載のもの) 
[書斎で若い友⼈たちと](1961 年) 
[書斎にて](1963 年) 
⽻永光利《⻄落合の⾃宅書斎の瀧⼝修造》(1970 年) 
細江英公[書斎の瀧⼝修造](1970 年頃) 
〔岡崎和郎《瀧⼝修造――Arrows Finger》をはめた瀧⼝〕(1973 年) 
⾼梨豊[オリーヴの⽊の下の瀧⼝修造](1974 年) 
⼤辻清司《⻄落合の⾃宅書斎の瀧⼝夫妻》(1975 年) 
⼤辻清司《瀧⼝修造の書斎》(1980 年)ほか 

Ⅱ.『余⽩に書く』と初出印刷物/草稿類(印刷物には⼀部書込みあり。草稿類は今後の調査によって増加する可能性がある。) 
『余⽩に書く』初出印刷物、計52 点  、草稿類、計6 点  

Ⅲ.  瀧⼝修造書斎平⾯図   
池田龍夫/磯崎新/巖谷國士/加納光於/中江嘉男・上野紀子