慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

転位する部屋 —— 一畳敷と新萬來舍 フォールディング・コスモス × 慶應義塾の建築プロジェクト

彫刻家・イサム・ノグチ(1904-1988)が教員と学生の交流の場として谷口吉郎とともに創り上げた「新萬來舎」。北方探検家・松浦武四郎(1818-1888)が余生を過ごすために創り上げた「一畳敷」。前者は若者たちの未来に捧げられた共用の部屋であり、後者は武四郎の過去(古材の継ぎ接ぎを通した回想)に捧げられた個人用の部屋です。このような用途やモティーフの差異にもかかわらず、両者には共通点があります。これらの部屋はいずれも様々な経緯を経て、前者は慶應義塾大学三田キャンパス南館、後者は国際基督教大学の高風居にオリジナルとは異なる形で移築されているという点です。しかし、当初の風景、建築の質、目論見や文脈から脱臼され、その部分を失ってもなお、個体性を保持したままその歴史を表現しています。まるで金属が破壊されることなく弾性や塑性を示す転位のように。

本企画では「一畳敷」と「新萬來舎」との出会い、武四郎とノグチという2人の放浪者の旅の交差を作り出します。それにより浮かび上がる、これら転位する部屋における「出会いと対話」の問題を「旧ノグチ・ルーム」において再考し、多様な「記憶の部屋」について言葉を交わします。

また造形作家と音楽家による展示を通して、過去の記憶だけではなく、現在の新たな記憶の顕在化をも試みたいと思います。

日時

2016 年 11 月 4 日(金) ・5 日(土) ・12 日(土)

場所

慶應義塾大学三田キャンパス内「旧ノグチ・ルーム」
国際基督教大学 泰山荘内「一畳敷」

対象

どなたでもご参加いただけます

費用

無料

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター 03-5427-1621
担当:本間・久保

日時

2016 年 11 月 4 日(金) ・5 日(土) ・12 日(土)

場所

慶應義塾大学三田キャンパス内「旧ノグチ・ルーム」

108-8345 東京都港区三田2-15-45 慶應義塾大学 三田キャンパス
南館 3F ルーフテラス

​国際基督教大学 泰山荘内「一畳敷」

181-8585 東京都三鷹市大沢 3-10-2

対象

どなたでもご参加いただけます

費用

無料

お申し込み方法

11月4日(金)17:00-19:00 対話の夜会 :先着順(定員20名程度)

11月5日(土)17:00-19:00 ヘンリー・スミス氏講演:先着順(定員50名程度)

11月12日(土) 13:00-15:00「一畳敷」特別見学会
  11月4日、5日のいずれかに来場された方を対象に15名限定で受け付けます。定員を超過した際は抽選となります。

登壇者/出演者

【対話の夜会】ゲスト:ヘンリー・スミス氏、 河口 龍夫氏、藤枝 守氏、渡部 葉子 モデレーター:倉島 美和子氏(フォールディング・コスモス)
【講演】ヘンリー・スミス氏
【出品作家】河口 龍夫、カリン・ギムバール(フランス)、国松 希根太、島田 清徳、関崎 哲、藤枝 守/ * folding cosmos:倉島 美和子(窓枠:戸田 敏夫|江戸指物師、本美濃紙:澤村 正) /掛軸部分:マコト・フジムラ(アメリカ)/器:内田 鋼一、兼藤 忍、鳥谷部 圭子 トレヴァー・リリストーン(イギリス)

タイムテーブル

11月04日 旧ノグチルーム一般公開 13:00-16:00

対話の夜会​ 17:00-19:00
ゲスト:ヘンリー・スミス氏、河口 龍夫氏、藤枝 守氏、渡部 葉子
モデレーター:倉島 美和子氏(フォールディング・コスモス)

11月05日 旧ノグチルーム一般公開 11:00-16:00

ヘンリー・スミス氏講演 17:00-19:00
講演者:ヘンリー・スミス氏(コロンビア大学名誉教授|Professor Emeritus, Dept. of East Asian Languages & Cultures, Columbia University)

11月12日 「一畳敷」特別見学会 13:00-15:00(国際基督教大学 泰山荘内)

*お申し込みは11月4日、5日のいずれかに来場された方を対象に15名限定で受け付けます。定員を超過した際は抽選となりますことにご留意下さい。

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター 03-5427-1621
担当:本間・久保

主催・共催など

主催:フォールディング・コスモス、慶應義塾大学アート・センター
特別協力:国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館
助成:科学研究費補助金基盤研究(A)「大学における「アート・リソース」の活用に関する総合的研究」
協賛:六花亭製菓株式会社
機材協力:ソニー株式会社
後援:アンスティチュ・フランセ日本、国際交流基金、株式会社 カンディハウス


「* folding cosmos」は、生涯旅を続けた幕末の探検家・松浦武四郎の最後の住まいである「一畳敷」をモティーフにした空間で、アーティストから贈られた作品を通して世界の人々と一期一会の「対話」をしながら、日本独自の文化と世界観ー小宇宙を世界の人々と共有していく試みです。http://foldingcosmos.org/home.html

「慶應義塾の建築プロジェクト」は、塾内建築についての記録資料を作成・保存しその記憶のアーカイヴ化を進めるプロジェクトです。塾内建築の基礎調査と記録資料整備とあわせて、展覧会、見学会やワークショップ等の公開活動を行っています。http://art-c.keio.ac.jp/-/aok