慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

没後39年 土方巽を語ること XIV

2024年は辛い年でもありました。土方巽の友人、知人が何人も他界されました。「土方巽を語ること」のゲストとしてお呼びできた方もいれば、お呼びできなかった方もいます。
とまれ、みなさんが土方巽の元へ旅立ったと思えば、少しは気が楽になります。
2025年1月21日。恒例の「土方巽を語ること」を行います。今回は、彫刻家の吉江庄蔵さんをゲストスピーカーにお呼びして、土方巽の舞台美術について話し合います。
吉江さんはアスベスト館で土方巽に協力して「白桃房連続公演」(1974年〜1976年)の舞台美術を手掛けられました。土方巽の作業については、踊りを中心に語られるものですが、この時期の土方巽は舞台美術も自ら考案し、優れた創造性を発揮したのです。また、土方巽が開発した特異な照明が加わることで、舞台美術は魂を込められたとも言えます。なんにせよ、舞踏手の身体、音楽、美術、照明、衣裳が一体となって、陶酔感が生まれる舞台が成立したのです。
先立つ1960年代には、中西夏之や横尾忠則、清水晃らが土方巽に美術やデザインで協力しています。それは、舞踏家と美術家との「終わりなき対話」(中西)によって、通常の演出家と美術家の関わりの矩を超えての関係をもって創造に向かったのです。
それでは、1970年代の吉江庄蔵の場合はどうだったのでしょうか。
そもそも、土方巽が舞台美術で生み出そうとした世界とは何だったのか。あの狭小のアスベスト館の舞台空間で何が行われていたのか。残されている舞台美術作品(戸板)を並べ、また記録映像を上映しつつ、土方巽と吉江庄蔵の「共同の作業」の成果を確認します。
また、土方巽が「稲妻捕りの画家」と称した清水晃の舞台衣裳を会場内で特別展観します。
2024年は舞踏公演も数多く行われ、舞踏をめぐる海外交流も一気に増えました。2025年はさらに交流が増すことでしょう。「土方巽を語ること」に参集されるみなさまとともに、あらためて舞踏の過去を訪ねつつ、舞踏の現在と未来を考える日にしたいと考えます。
                              (森下 記)

 

*諸般の事情により、開催形態や内容に変更が生じる可能性がございます。必ず直前にアート・センターHPをご確認の上、お越しくださいませ。

 

★フライヤー:ダウンロード

日時

2025年1月21日(火)18:00開会(17:00開場)

場所

慶應義塾大学三田キャンパス 東館6F G-Lab(キャンパスマップ⑬)

対象

どなたでもご参加いただけます・入退場自由
オンライン配信あり(Zoom Webiner)

費用

参加無料

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター土方巽アーカイヴ 担当:石本
Tel: 03-5427-1621 Email:

ディスカッション[土方巽を語ること]

日時

2025年1月21日(火)18:00開会(17:00開場)

場所

慶應義塾大学三田キャンパス 東館6F G-Lab(キャンパスマップ⑬)

対象

どなたでもご参加いただけます・入退場自由
オンライン配信あり(Zoom Webiner)

費用

参加無料

お申し込み方法

事前申し込み不要

登壇者/出演者

ゲストスピーカー:吉江庄蔵

吉江庄蔵

彫刻家。1974年東京藝術大学大学院彫刻科修了。1979年東京藝術大学構成デザイン科修了。1975年から76年にかけて、アスベスト館での白桃房連続公演の舞台美術に参画する。1985年現代美術の祭典(埼玉県立近代美術館)に初めて被膜彫刻を出品(優秀賞受賞)。1991年和栗由紀夫舞踏公演〈青い柱〉(池袋西武スタジオ200)にて舞台上で被膜彫刻を制作。以降も和栗由紀夫や小林嵯峨ら舞踏家とのコラボレーションで舞台美術を担当。「被膜彫刻」展を各所(1995年ストライプ美術館、2001年スパンアートギャラリー、2003年松本美術館など)で開催。2003年「肉体のシュルレアリスム 舞踏家土方巽抄」(川崎市岡本太郎美術館)に被膜彫刻を出品。近年は個展「境界を巡る襞」(2019年〜2024年巷房)で被膜彫刻を発表。

土方巽作品で舞台美術を担当した公演

・アスベスト館 

〈バッケ先生の恋人〉(1975年3月)、〈彼女らを起こすなかれ〉(1975年5月)、〈小日傘〉(1975年7月)、〈嘘つく盲目の少女〉(1975年9月)、〈暗黒版かぐやひめ〉(1975年12月)、〈梨頭〉(1976年2月)、〈それはこのような夜だった〉(1976年4月・5月)、〈ひとがた〉(1976年6月)、〈正面の衣裳−少年と少女のための闇の手本〉(1976年10月・11月)、〈鯨線上の奥方〉(1976年12月)、〈親しみへの奥の手〉(1985年5月)、〈油面のダリヤ〉(1985年9月)

・アスベスト館以外での公演

〈小日傘・バッケ〉(京都大学西部講堂1975年10月)、〈最初の花〉(三百人劇場1978年10月)、〈楼閣に翼〉(三百人劇場1978年11月)、〈フック・オフ88 papa―景色へ|瓲の髪型〉(plan B 1983年4月)、〈日本の乳房〉(日本芸術祭欧州ツアー1983年6月・7月)、〈東北歌舞伎計画Ⅰ〜Ⅳ〉(池袋西武スタジオ200、1985年3月・6月・9月・12月)

 

タイムテーブル

「没後39年 土方巽を語ることXIV」(東館6F)
17:00 開場
18:00 開会
          土方巽の舞台美術(ファシリテーター:森下隆)
          特別展示:清水晃の舞台衣裳
19:00 ゲスト登壇
20:00 閉会予定
          

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター土方巽アーカイヴ 担当:石本
Tel: 03-5427-1621 Email:

主催・共催など

主催:慶應義塾大学アート・センター
企画:慶應義塾大学アート・センター土方巽アーカイヴ、ポートフォリオBUTOH
協力:土方巽アスベスト館、NPO法人舞踏創造資源
令和6年度 メディア芸術アーカイブ推進支援事業「1970年代以降のパフォーマンスおよび展覧会のビデオ記録のデジタル化・レコード化II」


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