慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

「ジェネティック・エンジン」プロジェクト紹介展示 慶應義塾大学アート・センター周年事業|KUACアート・アーカイヴ20周年記念|アート・アーカイヴ資料展XVII

 本展は慶應義塾大学アート・センター・アーカイヴの20年わたる旅程を「アート・アーカイヴ資料展」(2006-2018年|全16回)に焦点を合わせ地図のように表現する試みです。

 これらの展示に出品された資料群は各フレームの中で、まるで全体であるかのように見えるでしょう。しかし、当然ながらそれらは全体のうちのごくわずかな部分にすぎません。仮に作品としての身分を付与されたある個物であれば、それが一つの全体を形成し、展示された状態において完結し得るでしょう。しかし、それが資料と呼ばれる限りにおいて、その個物としての全体性は系列をなす点や諸関係の網の目(部分)へと変成するでしょう。展示やリストとはアーカイヴが膨大に抱えた資料群をあるパースペクティヴにおいて縮約して見せる一つの形式です。翻って、膨大な資料群を弛緩させ、実際のテーブル上に全てを並べて一望することはかないません。資料の全体を把握しようとするならば、常にある種の地図のようなリストが必要です。

 壁に提示された瀧口修造コレクションの書簡リストの全体と5回の展示(アート・アーカイヴ資料展II「1978」/アート・アーカイヴ資料展III「1968—肉体の叛乱とその時代」/アート・アーカイヴ資料展VII「大いなる伝統 西脇順三郎アーカイヴ開設記念」/アート・アーカイヴ資料展IX「東京 ローズ・セラヴィ―瀧口修造とマルセル・デュシャン」/アート・アーカイヴ資料展XI「タケミヤからの招待状」)において出品された書簡リストを較べて下さい。弛緩したリスト、つまり物としての資料群へと接近していくその度合いを感じ取ることができるでしょう。このような諸物とリストとのダンスとでも呼べるような縮約と弛緩の運動、多様なパースペクティヴを通して襞を折り続ける運動が「ジェネティック・エンジン」の運動です。当然、瀧口コレクション以外も、膨大な資料群とリストを抱えています。この展示において、そのような運動を感じてもらえれば幸いです。

プロジェクト「ジェネティック・エンジン」のページ

日時

2018年5月14日 [月] ー 5月25日 [金]

場所

慶應義塾大学アート・スペース

対象

どなたでもご参加いただけます

費用

入場無料

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター
Tel: 03-5427-1621

展覧会[ジェネティック・エンジン]

日時

2018年5月14日 [月] ー 5月25日 [金](月曜〜金曜、11:00〜18:00)

場所

慶應義塾大学アート・スペース

〒108-8345 東京都港区三田2-15-45 慶應義塾大学三田キャンパス南別館1F
最寄駅:JR山手線・京浜東北線田町駅、地下鉄三田線三田駅、大江戸線赤羽橋

対象

どなたでもご参加いただけます

費用

入場無料

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター
Tel: 03-5427-1621

主催・共催など

主催:慶應義塾大学アート・センター