慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

シンポジウム「庭と現代美術:出来事を捕獲すること」 都市のカルチュラル・ナラティヴ

「物質のそれぞれの部分は、草木の生い茂る庭園や、魚群に満ちた池のようなものだと考えることができる。しかも、草木の一つ一つの枝や、動物の各肢体や、さらに、その樹液や体液の一滴一滴の雫が、またそのような庭園であり、池である。」(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ「モナドロジー」西谷裕作 訳、『ライプニッツ著作集9』工作舎、1989年、233–234頁。『モナドロジー』(1714)67節。原文を参照し一部訳語を変更した。)

都市は多くの文化を抱えており、可視化されることなく消えゆく出来事に満ちている。多くの種類の庭園もまた、そのような出来事を抱えている。身近なもの(道端の植栽や自宅の庭など)から間遠なもの(寺社の庭園など)まで含めた庭園は自然性と人工性が多様な形で結びついており、さながら生物と人工物による展覧会場のようである。

美術の領域は古典的な絵画や彫刻といった安定した形体を20世紀半ばに放棄し、より一過性の高い出来事の形体を構築してきた。インスタレーションと呼ばれる現代の代表的な手法はその一つの典型だと言える。しかし、これらも継承し、未来へと繋ぐためにはその出来事を何らかの形で捕獲しなければならない。

庭園もまた、恒常的ではない一過性の形体が様々な形で現れる領域だと言える。庭園はまるで変化し続ける展覧会場のようで、消え去る多くの出来事を孕んでいる。それを継承するとはどういうことなのか、いかに継承可能なのだろうか。

現代美術と庭園という異なる領域を照応させることによって、現代の芸術を継承するための方法について考えたい。

 

チラシ:ダウンロード

日時

2025年1月23日(木)18:00–20:00

場所

慶應義塾大学 三田キャンパス 東館4階オープンラボ(キャンパスマップ⑬)

対象

定員20名:先着順
下記応募フォームより、お申し込み下さい。

*前日まで募集し、定員に満たない場合は、当日、当ページにて参加可能人数をご案内します。その際、参加人数が定員に達し次第、参加できない可能性があることをご了承下さい。

費用

無料

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター
「都市のカルチュラル・ナラティヴ」プロジェクト(担当:久保・馬渕)
Tel. 03-5427-1621/

 

シンポジウム[都市のカルチュラル・ナラティヴ]

日時

2025年1月23日(木)18:00–20:00

場所

〒108-8345 東京都港区三田2-15-45
慶應義塾大学 三田キャンパス 東館4階オープンラボ(キャンパスマップ⑬)

対象

定員20名:先着順
下記応募フォームより、お申し込み下さい。

*前日まで募集し、定員に満たない場合は、当日、当ページにて参加可能人数をご案内します。その際、参加人数が定員に達し次第、参加できない可能性があることをご了承下さい。

費用

無料

お申し込み方法

下記のフォームよりお申し込みください。
〆切:2025年1月22日(水)16時

応募フォーム

登壇者/出演者

能勢伊勢雄、平諭一郎、久保仁志(司会)

登壇者プロフィール


能勢伊勢雄(のせ いせお)
1947年生まれ。写真家。前衛映像作家。音楽・美術評論家(批評)。現代美術展企画等。さまざまな表現の交錯する場として、1974年に老舗Live House「PEPPER LAND」を設立。岡山市・倉敷市連携文化事業「スペクタクル能勢伊勢雄 1968-2004」展(企画:那須孝幸)にて、長年にわたる脱領域的、学際的なすべてがはじめて広く紹介された。2009年より銀塩写真技術の継承を目的とした若手写真家集団「phenomena」を設立、主宰。2018年「福武文化賞」受賞。

 



平諭一郎(たいら ゆいちろう)
東京藝術大学未来創造継承センター准教授。文化財および領域横断的な芸術の保存、継承研究。創造の過程や周辺、実践知といった芸術資源から新たな表現を生み出すクリエイティヴなアーカイヴを推進し、研究プロジェクトや展覧会の企画、論考、制作を行う。主な企画に「芸術の保存・修復―未来への遺産」展(2018年)、「再演―指示とその手順」展(2021年)。

 



久保仁志(くぼ ひとし)
1977年生まれ。慶應義塾大学アート・センター・アーキヴィスト。アーカイヴおよび具体的諸資料から出発し、それらが包含する様々な時空間的パースペクティヴを編集(モンタージュ)することで起こった出来事だけでなく起こりえた出来事について考えること、芸術作品における編集の観察・分析・構築を通して人間の経験の諸条件を可変的回路として設計し直す可能性を探求することに関心がある。

タイムテーブル

17:45|開場
18:00–18:10|久保仁志
18:10–18:35|平諭一郎
18:35–19:00|能勢伊勢雄
19:00–19:30|ディスカッション
19:30–20:00|来場者との質疑応答
20:00|閉場

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター
「都市のカルチュラル・ナラティヴ」プロジェクト(担当:久保・馬渕)
Tel. 03-5427-1621/

 

主催・共催など

主催:慶應義塾大学アート・センター
助成:令和6年度 文化庁 Innovate MUSEUM事業