慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

文化庁国際シンポジウム「現代芸術アーカイヴの構築に向けて—— 保存・発信・活性化」 新進芸術家海外研修制度発足50周年記念 国際シンポジウム「日本の現代美術を支える——未来へ、そしてレガシーへ」第2日目

※ 本シンポジウムは、文化庁 新進芸術家海外研修制度発足50周年記念国際シンポジウムの第2日目として開催されます。
シンポジウム全体の概要、および第1日目のタイムテーブルについては、公式ウェブサイトをご参照ください

現代芸術を射程とするアーカイヴ、あるいは現代作家のアーカイヴは何を保存・蓄積すべきか。その範疇や作法はどうあるべきか。そしてさまざまなリソースをどのように活用し、いかにして新たな価値・関係性を創出するか。アーカイヴの構築においては、単に資料の保全を確保するだけでなく、積極的な供用の手段を確立することでその重要性を外部へ発信すること、そして刺激的な研究や多様な創造的実践の促進に資する文脈にアーカイヴを位置付けることが重要です。

本シンポジウムでは、海外から招いたキーノートスピーカーと、芸術のさまざまな領域を対象に、いままさにアーカイヴの構築と発信という課題に取り組んでいるチームを招いて、ディスカッションと事例紹介を行います。

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日時

2017年1月14日(土)13:00〜18:00

場所

慶應義塾大学三田キャンパス 南校舎ホール

対象

どなたでもご参加いただけます/定員200名、事前申し込み制

費用

無料

お問い合わせ

(株)富士通総研

日時

2017年1月14日(土)13:00〜18:00

場所

慶應義塾大学三田キャンパス 南校舎ホール(南校舎5F)

〒108-8345 東京都港区三田2-15-45
​三田キャンパスアクセスマップ

対象

どなたでもご参加いただけます/定員200名、事前申し込み制

費用

無料

お申し込み方法

ウェブサイト よりお申し込みください

登壇者/出演者

コーディネーター:渡部葉子(慶應義塾大学アート・センター 教授/キュレーター)

ファラ・ワルダニ(シンガポール・ナショナル・ギャラリー、リソース・センター副所長)
ジョー・メルヴィン(バリー・フラナガン・エステート、ディレクター/ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アート、アーカイヴ・特別文庫担当講師)

高柳有紀子(大阪新美術館建設準備室)
多摩美術大学+埼玉県立近代美術館
本間友(慶應義塾大学アート・センター)

小池一子
並木誠士(京都工芸繊維大学)
米田竜介(一般財団法人草月会)、久保仁志(慶應義塾大学アート・センター)
藤本貴子(文化庁国立近現代建築資料館)

ファラ・ワルダニ

シンガポール・ナショナル・ギャラリー、リソース・センター副所長
1975年ジャカルタ生まれ。2001年イギリスのゴールドスミスカレッジ(ロンドン大学)にて20世紀美術史修士課程修了。2001年よりインドネシアにて、作家、キュレーター、アート・オーガナイザーとして活動。2007-15年、インドネシアのジョグジャカルタにあるインドネシア・ビジュアル・アート・アーカイブ(IVAA)のディレクターを務め、インドネシアで最初の現代アートのデジタル・アーカイブを確立した(http://archive.ivaa-online.org/)。2015年3月から、シンガポール・ナショナル・ギャラリーのリソース・センターのアシスタントディレクターを務めている。

ジョー・メルヴィン

バリー・フラナガン・エステート、ディレクター、ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アート、アーカイヴ・特別文庫担当講師[ロンドン]
作家、キュレーター。最近手がけたものに「Animal, Vegetable Mineral」 ( Waddington Custot Gallery)、 「Christine Kozlov: Information No Theory」(Henry Moore Institute, Leeds)、「Five Issues of Studio International」(Raven Row, ロンドン) 、「Palindromes: Barry Flanagan and John Latham」(Flat Time House, ロンドン)がある。著書に『The Xerox Book』(Paula Cooper Gallery New York)、『British Art and Conceptualism 1966-1979』(Tate Britain)、『Seth Siegelaub: Beyond Conceptualism』(the Stedijk Museum, Amsterdam)。現在、イタリア・スポレートにあるthe LeWitt-Mahler Studiosにて展覧会を企画しており、2018年にはモダンアートプレスより「the catalogue raisonné of Barry Flanagan」が出版予定。

渡部葉子

慶應義塾大学アート・センター教授/キュレーター
1961年東京生まれ。慶應義塾大学大学院修了。専門は近現代美術史。東京都美術館、東京都現代美術館で学芸員として展覧会活動や研究活動を展開。企画した展覧会は「構造と記憶」展(1991)、「レボリューション|美術の60年代」展(1995)、「地球の上で」展(2003)年など。2006年より現職。各種催事や展覧会の企画実施とともに、アート・センターが所管するアーカイヴの活動に関わり、戦後芸術のアーカイヴ化の問題にも取り組む。2016年テート・リサーチ・センター・アジアの訪問研究員としてロンドンにて研究調査。

タイムテーブル

12:30 開場/受付開始

13:00-13:10 開会挨拶


13:10-14:40 第1部 基調講演

13:10-13:40: ファラ・ワルダニ(シンガポール・ナショナル・ギャラリー、リソース・センター副所長)
「東南アジアのアートと社会におけるアート・アーカイヴの重要性と挑戦」

13:40-14:10: ジョー・メルヴィン(バリー・フラナガン・エステート、ディレクター/ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アート、アーカイヴ・特別文庫担当講師)
「柔らかい彫刻から硬い彫刻へ、そして逆もどり・・・バリー・フラナガンとその同時代人たち」

14:10-14:40: ディスカッション


14:40-14:55 休憩


14:55-18:00 第2部 ケーススタディ

14:55-15:55 セッション1:日本からの現代芸術発信に向けて

  • 14:55-15:15 具体美術協会
    高柳有紀子(大阪新美術館建設準備室)
  • 15:15-15:35 もの派
    建畠晢(多摩美術大学)、梅津元(埼玉県立近代美術館)、上崎千(横浜国立大学非常勤講師)
  • 15:35-15:55 1970年代アートの記録―Video Information Center を中心に
    本間友(慶應義塾大学アート・センター)

15:55-16:55 セッション2:アーカイヴのキャリアパス

  • 15:55-16:10 佐賀町エキジビット・スペース
    小池一子
  • 16:10-16:25 デザイン・アーカイヴ
    文化庁「アーカイブ中核拠点形成モデル事業」グラフィック・デザイン分野 並木誠士(京都工芸繊維大学)
    ※ ポスターセッション参加:プロダクト・デザイン分野 武蔵野美術大学/ファッション分野 文化学園大学
  • 16:25-16:40 草月アートセンター資料
    米田竜介(一般財団法人草月会)、久保仁志(慶應義塾大学アート・センター)
  • 16:40-16:55 建築アーカイヴ
    藤本貴子(文化庁国立近現代建築資料館)

16:55-17:25 休憩/ポスター・セッション


17:25-18:00 最終ディスカッション
 

お問い合わせ

(株)富士通総研

主催・共催など

コーディネーター:渡部葉子(慶應義塾大学アート・センター)


第1部では、現代美術におけるアーカイヴの問題に関して、2人の専門家による基調講演を行います。

1人目は、アジアでの現代芸術のアーカイヴ構築とデジタル発信をインドネシアで先進的に手がけ、現在シンガポール国立博物館でさらに広い視野での展開を射程におくファラ・ワルダニ氏。

2人目は、アーカイヴに関してアート・スクールで教鞭をとりながら、イギリスの彫刻家バリー・フラナガンのアーカイヴ構築とその公開を実践しているジョー・メルヴィン氏です。アジアでの広い文脈作りと発信を目指すワルダニ氏の実践と、メルヴィン氏によるアーティスト・アーカイヴの実践という対照的な事例を通じて、現代芸術のアーカイヴの今日的な問題を考えます。

第2部のケーススタディは2つのセッションで構成されます。

まず、セッション1では、日本の現代芸術における重要なリソースとして、文化庁の助成を受けてアーカイヴ化に取り組む事例について、特に発信を意識した観点から紹介を行います。

セッション2では、アーカイヴの内容ではなく、構築の段階に着目していきます。アーカイヴ構築における諸問題はそのコンテンツの共通性よりむしろステージにおいて共有される面が大きいからです。アーカイヴ構築の各ステージに固有の問題や発展のヴィジョンについて考えることで、より立体的な視点からアーカイヴの生成・活用のあり方を議論したいと思います。