慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

西脇順三郎コレクション

 新潟県生まれの西脇順三郎(1894-1982)は日本の近代詩、詩論、批評を軸に活動した詩人で英文学者である。慶應義塾大学で教鞭を取るかたわら、戦前からシュリレアリスム運動に身を置き、瀧口修造らに影響を与えた。2012年、西脇の門弟で、西脇研究の第一人者である新倉俊一氏(明治学院大学名誉教授)より資料を受贈し、西脇アーカイヴを開設した。 
 総件数およそ800件からなる資料群は、自筆原稿(70点)ノート(78冊)旧蔵の書籍や雑誌(550冊)書簡(34件)音声テープ(10本)などから構成される。とりわけノートや原稿は、西脇の思考の跡がうかがえる貴重な資料であり、これまでにも展覧会への貸し出しや研究者による調査に活用されている。音声テープは劣化を防ぐため、デジタル化されている。西脇旧蔵の書籍は戦前に出版された初版本21冊を含み、雑誌は西脇が執筆した記事や詩作品等が掲載されているものである。1922年渡英した西脇は英国モダニズム詩から大きな影響を受けたが、関連する英文書籍も所蔵されている。他者による評論や研究など二次資料も順次加えられており、詩や詩論研究および日本のシュルレアリスム研究にとって豊かなリソースを備えている。2020年度より、資料リストの公開に着手する予定である。
 また、新倉俊一氏が主宰し、詩人や研究者などをメンバーとして「西脇順三郎研究会」を開催(月に一回程度)しており、西脇の詩や詩論を多角的に研究しつつ、年に一度の「アムバルワリア祭」(1月に開催)ではシンポジウム形式で広く一般の方々と西脇の詩世界を探求する機会を持っている。