Booklet 19 視×触―視ること、触れること、感じること
「見ること」はもっとも明晰かつ高いリアリティをもった感覚として、人間の理性と洞察力の比喩として諸感覚の位階の最上位を占め続けてきた。「触れる」ことは「感じる」ことそのものであり、感情にまで直接に達する「感じ」の領域本体を形成していた。あらゆる知覚がバーチャルな次元と結びつかざるを得ない現状にあって、われわれが自分たちにとっての「現実」をどこに置くか、情報化・バーチャル化する世界の中で感情を持つ存在としてどのように生きていけばいいのか、という本質的な問いに取り込むことが求められている。
B5変型 111頁 700円(税込) 送料210円 2011.3.31発行
目次
- はじめに (粂川麻里生)
1
- お手を触れないでください
――現代社会と感覚 (岡原正幸)
2
- 視覚と触覚の距離
――西村陽平の作品と経験からの断片的な考察 (西村陽平) - もうひとつの視線
――触察による北斎の鑑賞の試み (岩崎清)
3
- 瞑想、あるいは感覚の変容について (熊倉敬聡)
4
- 触覚的身体の最毛端 (古川正紘・稲見昌彦)
- テクタイル ――未来社会のための触感覚デザイン (仲谷正史・筧康明・白土寛和・前野隆司)