記憶の南校舎 | Keio University Mita South Building in Memory
Introduction to Archives VI
学校生活はいつも教室と共にあります。そこで学んでいる時は、教室の空間や建物の造りなどに余り気にとめないかもしれません。しかし、時間を経て、学校を訪れた時、校舎は当時の記憶を呼び起こす装置として私たちに働きかけてきます。校舎に近づき、廊下を歩き、教室に入る——そこで過ごした場面が鮮やかに甦ります。空間の記憶はどのように我々の中に宿るのでしょうか。
創立100年を記念して建設された南校舎は50年にわたって慶應義塾三田キャンパスのメイン・ビルディングとしての機能を果たし、学生や慶應大学に関わった者にとって、三田キャンパスのイメージの根幹をなす建築物でした。天井が迫った暗い階段を抜けて大銀杏の立つ中庭に抜ける感覚、階段から左右に長く続く廊下、そして窓側にある不思議な外廊下——創立150年を期に成された南校舎新築によって、現実の空間としてはもはや存在しない旧南校舎を、写真と映像を中心に「記憶の南校舎」として振り返ります。
今回の展示は、南校舎を対岸に臨む新しい展示スペース、「慶應義塾大学アート・スペース」で開催されます。
会期
2011年9月12(月)〜10月27日(木)10:00-17:00
[休館日]土曜日、日曜日および祝日]
場所
慶應義塾大学アート・スペース(慶應義塾大学 南別館1F)
(港区三田2-15-45 JR田町駅・都営地下鉄三田駅から徒歩8分:アクセス・マップ
関連イベント
展示されている写真を撮影した写真家、新良太氏をお迎えして、「記憶に向かう」をテーマにギャラリートークを行います。お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。
- 「記憶の南校舎」展 ギャラリートーク 「記憶に向かう」
- ゲスト:新 良太 聞き手:渡部 葉子
- 2011年10月7日(金) 18:30-19:30
- 慶應義塾大学アート・スペース エントランスにて
- ※ 予約不要・参加費は無料です。当日直接会場にお越しください。
南校舎について
慶應義塾創立100年記念建設事業の一環として、三田キャンパス南側に1959年に竣工した大学校舎。2009年11月解体。
同時に建設された三田キャンパス西校舎(現存)とともに、当時、新学制実施の結果として急激に増加した学生を、限られた敷地に、既存の建築物を取り壊すことなく収容することを念頭に計画された。
南校舎には、100名から150名を収容する小教室群が配され、南側道路(現在の第一京浜)からの騒音を防ぐため、教室の南面に歩廊が設けられた。
竣工当初、1階は、敷地の狭隘化を防ぐため、また学生の集まる空間をつくりだすため、ピロティ式の吹き抜けになっていたが、後に学生ラウンジや事務室に改修された。
また、南校舎の建設に合わせて、三田キャンパス南側に門があらたに新設された。それにともない、三田キャンパスの正門が、三田通りに面した門(現東門)から新設された門へと移された。
竣工当時の写真、平面図、立面図などは、「新建築」(1959年34巻6号)に掲載されている。
- 構造
- 鉄筋コンクリート造/地下:1階 地上:5階 塔屋:2階
- 竣工年月日
- 昭和34年4月30日
- 設計監理
- 三菱地所株式会社
- 施工
- 株式会社 安藤組
主催
慶應義塾大学アート・センター
問い合わせ
慶應義塾大学アート・センター
ac-tenji@adst.keio.ac.jp〒108-8345 東京都港区三田2-15-45 TEL 03-5427-1621 FAX 03-5427-1620