映画の/と時間 その3 黒沢清のA-TEMPOREL(ア・タンポレル)な世界
シンポジウム
ポルノやホラー、ヤクザ映画といったジャンルの境界をいとも簡単に踏み越え、ひたすら映画というジャンルの純化のみを目指してきた男、黒沢清。その世界はいささか耳慣れないものの、a-temporel( 「超俗的」とも「時間を超えた」とも「霊的」とも訳せよう)というフランス語の形容詞が一番しっくりしそうである。しかし「CURE キュア」(1997年)の衝撃に続く、「カリスマ」(2000年)の切り拓いた地平は、もはや映像(と言語)の臨界点を超えてしまったかのようだ。同定不可能な黒沢映画の現座標は今何処に?
2000年11月8日
於:三田キャンパス 北館ホール
パネラー
- 黒沢清(映画監督)
- 藤崎康(映画評論家)
- 常石史子(国立近代美術館フィルムセンター)
司会:橋本順一(慶應義塾大学商学部教授/アート・センター短期所員)
主催
- 慶應義塾大学アート・センター
- 映画理論研究会
黒沢 清(くろさわ きよし) プロフィール
1955年生まれ。学生時代から8ミリを撮り、卒業後、「神田川淫乱戦争」 (1983年 )で長編デビュー。 以来、精力的に作品を撮り続け、「黒沢清タッチ」と呼ぶべきスタイルを確立。国際的な評価が高まりつつあり、早くも回顧上映特集が組まれるほど。今や日本国内は勿論、世界でも最強の映像作家の一人。