クリエイティブ産業研究:講義記録
9.25 音楽ビジネスの構図(アーティスト契約) 上山 淳((株)EMIミュージック・ジャパン 執行役員法務部長)
講義内容についてはレジュメを参照してください。
質疑応答
- Q.これから特に重要になる契約はどのようなものか。
- A.レコード会社の経営が厳しい環境にある中で、音楽産業は、配信やコンサートなど音源制作以外のビジネスが増加し、新しい契約を必要としている。新規ビジネスの増加により、企業の法務部はより専門的知識を必要とする複雑な案件を抱える大変な状況にある。
- Q.サマーソニックやフジロックフェスティバルなど、異なるレコード会社のアーティストがひとつの音楽イヴェントに出演する際に関わる権利について。例えばアーティストが所属事務所を移籍した場合に、過去に所属した事務所で制作した曲は、移籍後、コンサートなどで演奏できなくなってしまうのか。
- A.多くの場合、事務所とアーティストの間で交わされる専属契約は、商品としての販売に限定した契約となっており、演奏の制限は無い。しかし、出演したコンサートの映像などがDVDなどにパッケージ化された場合は問題となる。そのため、音楽イヴェントのDVDはこれまでほとんど作成・発売されておらず、もしあるとすれば、プロモーションとして権利処理をしている可能性がある。