クリエイティブ産業研究:講義記録
4.24 クリエイティブ産業と法律―訴訟を避けるために― 前田哲男(弁護士)
講義内容についてはレジュメを参照してください。
質疑応答
- Q.音楽に関し、さまざまな権利の契約書があると思うが、契約はいつ頃結ばれるのか。
- A.アーティスト事務所とレコード会社との間では、これから先何年間の契約というかたちで結ばれるのが普通。その間に何枚レコードを発売するなどの内容が決まっており、契約が先行している。音楽に関しては契約書がきちんと作成されることが多い。これに対して映画の場合は、製作中や終了後も契約交渉が続いている場合もあるなど、契約書の作成が後回しになる場合がある。
- Q.ワンチャンス主義について
- A.ワンチャンスは、録音録画を出演者が許諾している場合にのみ適用される。放送事業者は、実際には録音録画するとしても、その目的が放送のためであることから、著作権法の規定により、放送の許可を得るのみでOK。だから、放送の段階では、録音録画の許諾がない。そのため、DVD化の際などには別途、出演者の許諾を必要とする。
出演の際に許諾をまとめて得たらいいのではないかと思うかもしれないが、そうしないのがこれまでの流れの中でできてしまったので、いまさら変えることが難しくなった。 - Q.作詞作曲者とアーティストが同一であっても、クレジット名を変えていることがあるが、その理由は、権利によるものなのか、アーティストのポリシーなどによるものなのか。
- A.だいたいの場合は後者。しかし、前者の場合もある。作詞作曲家がJASRAC会員である場合、原則としてすべての作品についてJASRACへ著作権を信託することになっているが、JASRACへ著作権を信託したくない理由がある時に、意図して名義を変えている場合があるようだ。
- 配布資料
- レジュメ(9ページ)