慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

【展覧会報告】アート・アーカイヴ資料展 XV なだれうつ!アヴァランチ

【日時】2017年1月11日(水)- 2017年3月17日(金)

慶應義塾大学アート・センターによるアート・アーカイヴ資料展は「なだれうつ!アヴァランチ」展で15回目を迎え、1970年代、ニューヨークで不定期に発行された美術雑誌『アヴァランチ』を紹介いたしました。
今回の展示では、全13号の総てのページをスキャニングし、データをA4コピー用紙に印刷。620枚を超える紙をアート・スペース内の壁に一枚一枚貼り付けています。雑誌として綴じられた『アヴァランチ』を「解体」し中の情報を並べて置くことで、それらを同じレベルで見ることが可能となりました。通常、書籍を展示する際、表紙を上に、あるいは見どころのあるページを開いてケースの中に並べるなど(電子端末を補足として設置する例もあるにせよ)、その書籍の一部分を目にするだけの格好に留まります。今回の展示のように、情報を全身に浴びるかのごとく、ページの総てを一時に見渡す行為はそうした点において稀有な身体的読書体験と言えるでしょう。
来場者アンケートからは、時代特有のフォントや写真レイアウトなど紙面デザイン、掲載されたアーティストたちの姿、作品、テクストなど、見る人によって注目するページがさまざまに異なっていたことがわかりました。展示室内で読破するのは確かに難しかったかもしれませんが、ふと目にとまったページを丹念に読み込まれる方が多かったようです。(堀口)

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