須田寿《家鴨》清掃
慶應義塾中等部に所蔵されている本作品は、「我に触れよ (Tangite me):コロナ時代に修復を考える」展(2021年10月18日-12月3日)に出品された。その際、額縁とアクリルの内側にカビが確認されたため、専門家助言のもと、専門家とスタッフで清掃を行った。なお、本作品は1999 年度に作品 の修復と額の修理・改善が行われている。(年報7号、48-49頁参照)
作業日:2021 年10 月12 日、12 月7 日
状態確認: 宮﨑安章(修復研究所二十一)、及川崇(HIGURE17-15 cas)
作業者: 及川崇、桐島美帆(アート・センター)、長谷川紫穂、松谷芙美、島田和(ミュージアム・コモンズ)
記録:桐島美帆
●作品
作者=須田寿
作品=家鴨
制作年= 1947 年
材質・技法=油彩・カンヴァス
寸法= 80.1 × 116.1cm
●作業内容
1. 作品と額の状態を専門家と共に確認した。額全体に埃が堆積し、額縁の上部にはカビ痕と思われる汚れがみられた。また、アクリルの内側に白カビが何か所か確認された。
2. 刷毛とウエス、エタノールを用いて額の清掃を行った。低反射アクリルの表面は主にウエスで乾拭きし、一部水拭きで清掃した。
3. 額を外したところ、額裏の内側に蜘蛛の営巣が確認されたため、除去した。
4. アクリル内側に付着したカビをエタノールで拭きとった。
写真は左から
図1 アクリル内側の白カビ
図2 アクリル内側の白カビ除去
図3 蜘蛛の営巣
図4 蜘蛛の巣除去
Date
2021年12月07日
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