Carlo Goldoni: Venice Grand Theatre of the World
18世紀イタリアを代表する喜劇作家であり、近代演劇の父と謳われるカルロ・ゴルドーニ(1707-93)。
その足跡を辿り、彼が活躍したヴェネツィアの街と文化にスポットライトを当てたドラマ・ドキュメンタリー映画《カルロ・ゴルドーニ ― 世界の大劇場ヴェネツィア》(A. ベッテーロ監督作品)を、このたび日本で初めて上映することになりました。
本作品は、イタリア政府文化省から優れた映画に与えられる「フィルム・デッセイ」に選ばれたほか、各国の映画祭ですでに上映され、数々の賞に輝いています。200名を超す俳優とエキストラが出演するドラマ部分に、ゴルドーニ作品の貴重な舞台上演の様子やイタリアの著名な俳優・演出家のインタビューを挿入した内容豊かな作品ですが、合間に映し出されるヴェネツィアの美しい街並みと背景で流れるイタリア・バロック音楽が、この映画の魅力をいっそう引き立てるものとなっています。
今回はこの映画の上映に合わせて、イタリア演劇とオペラの研究者による講演会を開催いたします。気鋭のゴルドーニ研究者として活躍されている大崎さやの氏、史料調査を中心に18世紀ナポリ派オペラを研究されている山田高誌氏をお迎えし、劇作家・リブレット作者としてのゴルドーニの革新性についてお話いただきます。
Date
2011年9月16日(金)講演 17:00~18:00 映画上映18:30~ (16:30開場)
※上映前に西川教授によるプレトークあり
Venue
三田キャンパス 北館ホール
(港区三田2-15-45 JR田町駅・都営地下鉄三田駅から徒歩8分)
Audience
Lecturer/Performer
大崎さやの(おおさき・さやの)「ゴルドーニ喜劇の演劇史上における意義について」|山田高誌(やまだ・たかし)「オペラ史におけるゴルドーニの新機軸」、上映:「カルロ・ゴルドーニ—世界の大劇場ヴェネツィア」、解説:西川尚生(にしかわ ひさお)
後援:イタリア大使館
Timetable
講演 17:00~18:00
大崎さやの(おおさき・さやの)「ゴルドーニ喜劇の演劇史上における意義について」
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学、博士(文学)。専門は18世紀イタリア演劇。著書『演劇学のキーワーズ』(共著、2007年、ぺりかん社)、『オペラ学の地平』(共著、2009年、彩流社)、『イタリアのオペラと歌曲を知る12章』(共著、2009年、東京堂出版)。
訳書『アルフィエーリ自伝』(共訳、2001年、人文書院)。論文「ゴルドーニの喜劇『イギリスの哲学者』をめぐって」(イタリア学会誌第57号)他。現在、東京大学、埼玉大学等にて非常勤講師、東洋大学人間科学総合研究所客員研究員、早稲田大学オペラ/音楽劇研究所招聘研究員。
山田高誌(やまだ・たかし)「オペラ史におけるゴルドーニの新機軸」
大阪大学大学院文学研究科芸術学講座(音楽学)助教。専門は西洋音楽史、イタリア・オペラ史。
早稲田大学教育学部卒業。大阪大学大学院文学研究科博士前期課程(音楽学)修了。同大学院博士後期課程単位修得退学。イタリア国立バーリ音楽院上級コース(記譜史)修了、上級ディプロマ取得。日本学術振興会特別研究員SPD、同会海外特別研究員を経て、2010年より現職。日本イタリア古楽協会運営委員。
18世紀後半のナポリのオペラについて、台本、楽譜、そして劇場経済史の観点から史料研究を行うほか、楽譜校訂を通して知られざる作品の復活上演にも関わる。
映画上映 18:30~ 「カルロ・ゴルドーニ—世界の大劇場ヴェネツィア」
上映前プレトーク:西川尚生(にしかわ ひさお)
慶應義塾大学文学部卒業、同大学院博士課程修了。1992-94年までオーストリア政府給費留学生としてザルツブルク大学に留学、2004年-06年までウィーン大学訪問研究員。現在、慶應義塾大学文学部教授、アート・センター所員。専門はモーツァルトを中心とする古典派音楽史。著書に『モーツァルト』(音楽之友社、2005年)、訳書にN.ザスロー編『啓蒙時代の都市と音楽』(共訳、音楽之友社、1996年)、N.ザスロー編『モーツァルト全作品事典』(共訳、音楽之友社、2006年)、論文に「ラノワ・コレクションのモーツァルト資料」(『進化するモーツァルト』春秋社、2007年)などがある。
Enquiries and bookings
慶應義塾大学アート・センター
〒108-8345 東京都港区三田2-15-45 TEL (03)5427-1621 FAX (03)5427-1620
pj.ca.oiek.tsda@inodlog-ca
Organiser(s)
主催:慶應義塾大学アート・センター、ダンテ・アリギエーリ協会東京・名古屋支部
後援:イタリア大使館
「カルロ・ゴルドーニ—世界の大劇場ヴェネツィア」
この映画は現代イタリアを代表する演出家らのインタヴューを交え、18世紀のヴェネツィアの劇作家、カルロ・ゴルドーニの一生と、彼が演劇界にもたらした革命を描いている。
カルロ・ゴルドーニは、市民社会にスポットを当てた新たな演劇形態の先駆者である。それはすなわち芝居の主役の座が、仮面、コンメディア・デッラルテ、即興芝居、あるいは非現実的で抽象的な古典の神々から、日々を生きる中産階級や庶民の人々に取って代わられることを意味する。ゴルドーニによるこの改革は、嫉妬と嫌悪の嵐を巻き起こした。彼を取り巻く衝突や批判は1762年に頂点に達し、それを機にゴルドーニはヴェネツィアを去り、残りの人生の31年間をパリで過ごすこととなった。
本作品は世界各地で高い評価を受け、第64回ヴェネツィア国際映画祭においてプレビュー上映された他、トロント国際映画祭、第27回モントリオール国際映画祭にも出品された。第42回ヒューストン国際映画祭において『ゴールド・レミ賞』を受賞。イタリア政府文化省から芸術性の高い映画作品に与えられる『フィルム・デッセイ』の認定も受けている。
監督はアレッサンドロ・ベッテーロ。 (イタリア語・日本語字幕)
ダンテ・アリギエーリ協会について
ダンテ・アリギエーリ協会は「海外で暮らすイタリア人が母国との精神的なつながりを深める」「外国人のイタリア文化に対する関心を育む」ことを目指し、1889年に創立された公益法人。2011年における海外支部数は500ヶ所、全世界で5,885もの講座が開講され、202,794名の会員が受講している。さらに、講演会、シンポジウム、展覧会、コンサートなど、5,000余りのイベントも開催している。
ダンテ・アリギエーリ協会東京支部および名古屋支部は、イタリア語学校「イル・チェントロ・ダンテ・アリギエーリ」においてイタリア語コースの授業を行っています。また語学教育活動の一環として、イタリア外務省およびローマ大学「ラ・サピエンツァ」と共同で、イタリア語検定PLIDAを実施しています。
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